Red_Crow’s diary

もの作り集団Red_Crowの生存と活動日記

僕の夢と希望

果てしなく遠くて近い。そう。それは銀河。天の川と呼ばれる星の川だ。

僕は以前、フェミニーズの握手会に、特にマリーアントワネットと会いに、星霜の彼方で行なわれた握手会に行ってきた。

そして、太陽系に戻るため、宇宙船を走らせていた。

だがしかし、僕は忘れていたのだ。

天の川が、増水している時期であることを。

大量の星の水に押し流され、僕は宇宙船の中でもみくちゃにされた。

気が付いたとき、僕は天の川の中州に居た。

織姫も、彦星も助けられない、天の川のど真ん中の小さな中州に、押し流されて来た流木達と一緒に取り残されていた。

命は助かった。僕は安心して、宇宙船を動かそうとした。だが、エンジンがピクリとも動かない。

僕は宇宙船の外に出てみた。中州に発生した局地的な低重力のおかげで、自由に宇宙船の後ろに回り込めた。

そこで、僕は危機を察した。もみくちゃにされているうちに出来た、エンジンルームの扉のゆがみから、星の水が内部へ入り込み、水滴がしたたっていたのだ。

僕はエンジンルームの扉を開けた。どざーっと星の水があふれて来た。

これは、エンジンルームが完全に乾ききるまで、船を動かすことは出来ない。

僕は、水で何処か壊れているところは無いかチェックした。

幸い、地球の言葉に訳すなら、エンドロール管と呼ばれるであろう、推進力を生むエネルギーを放出する管が、少し水圧で潰れていただけだった。

僕はトンカチを取り出し、元の形に戻るようにエンドロール管を叩き始めた。

それは、細心の注意を払いながら、なおかつリズミカルに進めなければならない、途方もない作業だった。

疲れを感じて、外に休憩に出た。

地球と通信は取れるだろうか。きっと、海原の孤島で、また言葉を探して迷ってるあいつが、僕からの通信を待っているかもしれない。

僕は操縦室に戻り、地球の電波を探した。地球を覆いつくしている様々な電波の中から、孤島で魚釣りをしているはずのあいつのスマホの電波を見つけた。

僕は再び様々な言葉をあいつの元に残した。

あいつはどうせ、その言葉をまた訳の分からないリズムとメロディーをつけて、歌という物を創り出すのだろう。

僕は今回は注文を付けた。「歌にするならポップで明るいものに」と。

あいつはどうも極端な奴で、極端なダークサイドと、極端なライトサイドを併せ持っているらしい。

だから、僕がほのぼのとした情景を思い浮かべながら提示した言葉でも、いやに戦闘的な音楽をつけられたり、いやに悲壮感のこもったメロディーをつけられたりと、色々アレンジされてしまうのだ。

だが、今回だけは必ずや。必ずや、青空を見上げてあんこのたい焼きを食べるような気分になる、素晴らしくポップで明るい歌にしてほしいのだ。

あいつがReD Crowと名付けた、まだ未成熟なこの集団の世界を、真っ黒に染めないでほしいのだ。

せめて、あずき色に。グリーンティーも付けば最高だ。

そんな楽しい空想をしながら、ぼくはエンドロール管を叩き続けるのだった。

新しい旅路を始める日に向けて。